家の買い替え時期
「こんどの日曜日にでも行ってみるか」「そうね」「新しい家を探すのはそれからでも遅くないと思うな」家を買い替える前の夫婦の会話にはいろいろあると思うが、これはまともな場合の会話である。まともでない場合はどうなるか、次の会話を読んでいただきたい。「そろそろ、家の買い替え時期だと思うんだけれど、どう思う?」「そうだな。こんどはどこに住もうか。新聞のチラシとか雑誌で検討してみるか」「わたしもあちこちのお友だちに電話して様子を聞いてみるわ」こうして、家探しがスタートするのだが、これは基本を無視した危ないやり方である。家やマンションを買い替えようというとき、間違いやすいのが、売りと買いのどちらを優先させるかという問題である。誰でも普通は、買う家のほうに関心がいってしまい、現在住んでいる自分の家はかならず査定どおりに売れると信じ込んでしまう。しかし、これが危ないのだ。しかも、悪い不動産屋に引っかかると、借金のドロ沼に入った挙げ句、前の家まで失ってしまうことだってある。そんな例を紹介しよ兎司ノO都心から三十分くらいの町に住んでいた亀田(仮名)さんは、教員の奥さんのたっての希望で、勤務先に近い場所に移ろうと思い、とりあえず最寄りの駅の近くにしゃれたオフィスを構えている、テレビでよく名前を聞く大手不動産会社の支店を訪ねてみた。この店が支店ではなく、大手の名前を掲げただけの系列店であったことはずっとあとになってわかったのだが、当初は知る由もなかった。
